火宅からの救出劇

法華経』の中には、方便品・譬喩品・法師品・見宝塔品の要文を集めた「欲令衆」というお経があります。


そこでは、お釈迦様が出現された理由が明かされ、唯一お釈迦様だけが私たちを救うことが出来ると説かれます。また多宝如来がこのことを証明されます。

 

「三界は安きことなし、なお火宅のごとし」
三界(欲界・色界・無色界)と言われる六道輪廻の迷いの世界には、苦しみや不安が充満しています。それはまるで火事で燃え盛る邸宅のような状況です。

 

お釈迦様は生きとし生けるもの全てを我が子として愛しておられますので、恐ろしい状況から我が子を何としてでも救い出すため方策を講じ実行されます。


法華経』の譬喩品には三車火宅の譬喩が説かれています。

長者である父親は、火事で燃え盛る邸宅にいる子供達を救い出すシーンが説かれています。子供達は遊びに夢中になって火の手が上がっている事に気付きません。しかも邸宅には逃げ道である門が一つしかありません。父親は子供達が興味を示す玩具で釣って脱出させました。結局は玩具よりも高価で荘厳な大白牛車を与えたのです。

 

これは方便を用いて子供達の命を救ったという話ですが、長者の父親がお釈迦様、子供達が私達衆生であると提示しています。

 

今コロナ感染が収まらぬ世の中こそ、まさに火事で燃えている邸宅であり、その中に私達は居るのです。欲望に負けてしまいパチンコに夢中になってしまう姿などは、まさに遊びに夢中になって火事に気付かない子供達を彷彿させます。

 

お釈迦様は三界の主で、私達衆生の指導者であり、父親であるというお釈迦様の尊き存在と救済力を認識し、信じ、分別ある正しい行動が私たちに求められることろです。

 

動画配信「三界火宅と現状の社会」⏬

https://youtu.be/9ABLTAhhfpw

感謝の気持ち伝える心施とは?

今皆さんが求めているものは何でしょうか?

物、仕事、お金、援助、慈愛、繋がりですか?

今こそ助け合いと施しの精神が必要です。

 

そんな中で今、命懸けで仕事をされている方々がいます。病院など医療現場で働く医療従事者の方々ではないでしょうか?
あちこちで院内感染クラスターが発生している現状があります。医療従事者の方々は、勿論感染のリスクを承知の上で仕事をされています。

 

本日は布施の精神についてお話をします。
お布施とは、僧侶にお経を唱えてもらった後に、支払うお経料みたいに思われている方が多いかもしれません。

 

元々、仏教の出家者は私有物を持つことを禁じられていました。糞掃衣というボロ布を継ぎ合わせた粗末な袈裟、法衣をずっと着用していました。
布の施しによって僧侶の衣が作られたのです。

 

先ず三施から説明します。
財施=財物や衣服など物質を施すことで、金品も含まれます。
②法施=人々に法、教えを説くことです。
無畏施=人々の恐怖を取り除く行いです。

 

上記の三つの布施以外に無財の七施と言われるものがあります。

 

眼施(慈しみに満ちた優しい眼差し)②和顔施(笑顔の施し)、③愛語施(優しい言葉)、④身施(自分の身体を使って奉仕すること)、⑤心施(思いやりある心で接すること)、⑥状座席(席や場所を相手に譲ること)、⑦房舎施(雨風をしのげる所、一夜の宿を与える行為)

 

無財の七施」はどれを取っても、財産がなくても、自分に出来る人に対する道徳的な施しであります。

 

得てして人間は「これだけしてあげたのに…」「これだけあなたのこと思っているのに…」とどうしても考えてしまいがちになります。

 

見返りを期待する情けや施しは、布施の精神からは逸脱します。

自分が生きていることによって、周りが良くなるように念じ、良い影響力が与えられるようになることが大事なのです。

 

無財の七施の5番目の心施(しんせ)とは、思いやる心で接する、感謝の心で持って施すことです。

今まさに日本のみならず、世界中の医療従事者に対し、心から感謝の気持ちを伝える行動が増えています。
 医療現場の方のみならず、色々な場で危険性と隣り合わせで、働いておられる方がいます。

 

「ありがとう」とは、有ることが難しい。滅多にない。得難いものを得るということです。改めて有り難さに気付くこともあろうかと思います。

感謝という施しを忘れないようにしたいですね。

 

仏教の三密とは?

面白くないかも知れない面白仏教クイズの配信です💦 https://youtu.be/tPC7-yXt9pA

 

ブログは動画を文章に起こし解説したものです。

いきなり問題です。三密の三つの密をお答えください!

簡単ですね。密閉、密集、密接のことで、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、絶対に三密だけは避けて欲しいと政府や自治体は繰り返し呼び掛けています。

今、毎日のように耳にする三密ですが、実は仏教用語であり、取り分け真言密教の教えで、三密加持は有名であります。

仏様の三密と衆生の三密が交わって即身成仏するという教えです。

 

身口意の三業【さんごう】とは、人間のなす行為を三種類に分類したのもです。

 

身とは行いで、行者が手に印を結ぶこと。口と真言を唱えること。意とは心に思うことで、本尊を感じることです。

 

因みに日蓮宗では、解釈が異なり、三業受持と申しまして、身は『法華経』を身を持って実現する色読のこと。口はお題目を唱えること。意は『法華経』への信心のことです。

 

更に申し述べると、信心は成仏への正しい原因、

色読とお題目を唱える唱題が成仏の正しい行いであると日蓮聖人はご教示されています。

少し専門的な内容になりました。

動画配信を始めました!〜今出来ること〜

動画配信を始めました!⏬https://www.youtube.com/watch?v=hwfBmbIr7v8&feature=share

 

コロナの感染者数が日に日に増え、大変な状況になっています。感染者がゼロの都道府県は岩手県だけになりました。

 

八尾市仏教会の住職ともLINEグループで情報交換、マスクをして月参りの読経を行なっているという声も聞かれるようになってきましたので、私も今日からお参りはマスクを付けてお勤めすることにしました。読経は大きな声での発生ですからね。

 

月回向や法事をお断りされる檀家さんも増えて来ました。

ご自宅での法事は、こちらから、極力お寺若しくは墓前で行って頂くようお願いしています。

 

本堂は窓を開け換気をし、椅子と椅子の間隔を開けます。

お寺の会館でも法事の後の食事、お斎はなしでお願いします。

 

僧侶の動きが見えないとの指摘も一部であるようですが、悩み苦しまれている方の元へ行く事は大切ですが、今回ばかりは感染を広げ大切な命を奪い、失う事に繋がり兼ねません。今はお寺や自宅にいるという行いが大切だと思っています。

 

お寺や家に居ても出来る事は沢山あります。

そこで、この度YouTubeでの配信を始めました。、面白い仏教クイズ、決して面白くはないかも知れませんが‥良かったらご覧になって頂ければ幸いです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=hwfBmbIr7v8&feature=share

 

 

 

 

 

 

 

 

「釈尊降誕会」〜尊い命に有難う〜

本日、4月8日は「花まつり」と言ってお釈迦様の降誕会です。仏生会灌仏会仏生会浴仏会龍華会などの別名があります。

 

なぜ「花まつり」なのかと申しますと、お釈迦様がお生まれになった場所が、色とりどりの花が咲き誇るルンビニ園だったことに由来しているそうです。それ故、花まつりの行事では、花御堂をしつらえて仏像を安置します。

 

お釈迦様は生まれてすぐに7歩歩かれ、「天上天下唯我独尊」と発せられました。

この世で私が唯一の尊い存在であるという、お釈迦様の神格化の表れでありますが、衆生に目を向けて、この世で私たち独り独りの存在が尊いと言う解釈もあります。

 

昨日、安倍総理から史上初の非常事態宣言が発令され、東京や大阪などが対象地域となりました。

これまで全く想像だにしなかったことが今まさに起こっており、当たり前に行えたことが出来なくなっています。苦しまれている方も沢山いらっしゃいます。


「有難い」とは、有ることが難しい。滅多にない。得難いものを得るということです。改めて有り難さに気付くこともあろうかと思います。

 

1人1人の命、この世に1つしかない命にも有難うなのです。ですから、自分の命と同じく他者の命も尊いのです。お互いの命を大切にするとで世界が平和になります。安穏になります。
大切な人の命、唯一無二の命を守る為の行動が大切です。

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エイプリルフールと「嘘も方便」?

早くも今日から4月ですね。4月1日と言えばエイプリルフール、嘘をついても良い日と言われますが本当?


しかし今、コロナに関する嘘やデマは、閻魔さんに舌を抜かれるレベルの悪業だと思います。


仏教では不妄語戒と言って、嘘をついてはいけないという戒律があります。


「嘘も方便」という言葉がありますが、実は方便は仏教用語であります。


一、お釈迦様が相手の能力や状況に応じ様々な形態で法を説くこと

 

一、人々を正しい道に導くためのお釈迦様の巧みな手段

 

一、お釈迦様の智慧と慈悲のある不思議な働き

 

仏教で言うところの方便とは、他者を貶めたり惑わせたりする嘘とは、全く異なるのです。

東日本大震災から9年〜復興五輪なのか?〜

3月11日は東日本大震災から9年の祥月命日だった。


童話作家宮沢賢治の『雨ニモマケズ』には、苦しんでる人がいるその地に「行って」看病し、助け、声をかける姿が綴られている。

 

本来なら、この日は現地で祈りを行うべきかも知れなが、叶わず今出来る慰霊供養を自坊で行った。


9年経った今、福島、宮城、岩手の被災三県の復興はどうなのか?


震災後49日目から昨年の7月まで、何度も訪問して来たが、賑わいを取り戻し、人々が安穏に暮らせるようになるのが復興とするなら程遠い‥。特に福島は原発事故があったことで大きく遅れている。


新型コロナウイルス感染拡大している今、開催出来るの?と言われている復興五輪を掲げる東京オリンピック、予定通り聖火リレーが東北の被災地でも行われるようだ。


例えば、福島県双葉町聖火ランナーが走るコースは、整備された駅周辺とのこと。
帰還困難区域は、9年前から手付かずの街、住宅、学校がある。それらの区域は時間が止まったままの状態である。
復興とは程遠い状態を敢えてテレビカメラには映さないのだろう。


余談だが、先日の3月11日の午後2時46分、被災地で多くの方が目にしたのは架け橋のような美しい虹だった。あの虹を目の当たりにしながら、大切な亡き方を思い出しておられた方も多かったのでは‥。
希望の橋となることを祈る。