感謝の気持ち伝える心施とは?
今皆さんが求めているものは何でしょうか?
物、仕事、お金、援助、慈愛、繋がりですか?
今こそ助け合いと施しの精神が必要です。
そんな中で今、命懸けで仕事をされている方々がいます。病院など医療現場で働く医療従事者の方々ではないでしょうか?
あちこちで院内感染クラスターが発生している現状があります。医療従事者の方々は、勿論感染のリスクを承知の上で仕事をされています。
本日は布施の精神についてお話をします。
お布施とは、僧侶にお経を唱えてもらった後に、支払うお経料みたいに思われている方が多いかもしれません。
元々、仏教の出家者は私有物を持つことを禁じられていました。糞掃衣というボロ布を継ぎ合わせた粗末な袈裟、法衣をずっと着用していました。
布の施しによって僧侶の衣が作られたのです。
先ず三施から説明します。
①財施=財物や衣服など物質を施すことで、金品も含まれます。
②法施=人々に法、教えを説くことです。
③無畏施=人々の恐怖を取り除く行いです。
上記の三つの布施以外に無財の七施と言われるものがあります。
①眼施(慈しみに満ちた優しい眼差し)②和顔施(笑顔の施し)、③愛語施(優しい言葉)、④身施(自分の身体を使って奉仕すること)、⑤心施(思いやりある心で接すること)、⑥状座席(席や場所を相手に譲ること)、⑦房舎施(雨風をしのげる所、一夜の宿を与える行為)
「無財の七施」はどれを取っても、財産がなくても、自分に出来る人に対する道徳的な施しであります。
得てして人間は「これだけしてあげたのに…」「これだけあなたのこと思っているのに…」とどうしても考えてしまいがちになります。
見返りを期待する情けや施しは、布施の精神からは逸脱します。
自分が生きていることによって、周りが良くなるように念じ、良い影響力が与えられるようになることが大事なのです。
無財の七施の5番目の心施(しんせ)とは、思いやる心で接する、感謝の心で持って施すことです。
今まさに日本のみならず、世界中の医療従事者に対し、心から感謝の気持ちを伝える行動が増えています。
医療現場の方のみならず、色々な場で危険性と隣り合わせで、働いておられる方がいます。
「ありがとう」とは、有ることが難しい。滅多にない。得難いものを得るということです。改めて有り難さに気付くこともあろうかと思います。
感謝という施しを忘れないようにしたいですね。