火宅からの救出劇
『法華経』の中には、方便品・譬喩品・法師品・見宝塔品の要文を集めた「欲令衆」というお経があります。
そこでは、お釈迦様が出現された理由が明かされ、唯一お釈迦様だけが私たちを救うことが出来ると説かれます。また多宝如来がこのことを証明されます。
「三界は安きことなし、なお火宅のごとし」
三界(欲界・色界・無色界)と言われる六道輪廻の迷いの世界には、苦しみや不安が充満しています。それはまるで火事で燃え盛る邸宅のような状況です。
お釈迦様は生きとし生けるもの全てを我が子として愛しておられますので、恐ろしい状況から我が子を何としてでも救い出すため方策を講じ実行されます。
『法華経』の譬喩品には三車火宅の譬喩が説かれています。
長者である父親は、火事で燃え盛る邸宅にいる子供達を救い出すシーンが説かれています。子供達は遊びに夢中になって火の手が上がっている事に気付きません。しかも邸宅には逃げ道である門が一つしかありません。父親は子供達が興味を示す玩具で釣って脱出させました。結局は玩具よりも高価で荘厳な大白牛車を与えたのです。
これは方便を用いて子供達の命を救ったという話ですが、長者の父親がお釈迦様、子供達が私達衆生であると提示しています。
今コロナ感染が収まらぬ世の中こそ、まさに火事で燃えている邸宅であり、その中に私達は居るのです。欲望に負けてしまいパチンコに夢中になってしまう姿などは、まさに遊びに夢中になって火事に気付かない子供達を彷彿させます。
お釈迦様は三界の主で、私達衆生の指導者であり、父親であるというお釈迦様の尊き存在と救済力を認識し、信じ、分別ある正しい行動が私たちに求められることろです。
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