お寺で第1回写経会を開催!
先週17日の土曜日は、自坊の檀信徒会館で第1回初心者向け写経会のイベントを開催させて頂きました。
始めに、住職のミニ法話ということで、写経の歴史、お経の意味、『法華経』について、私が簡単に紹介。
その後、写経担当の西田上人から写経をするに当たっての心構え、書き方について指導の元、実際に塗香を手に塗って浄めてもらってから写経体験して頂きました。
皆さん一文字一文字心を込めて書写されていました。
早く書き終わった方は、写経して頂いた経文の書き下し文と、意味を記載したプリントを真剣に読まれていました。
終わってからは、お茶とお菓子をご用意させて頂き、我々も輪の中に入り、1時間程茶話会をしました。皆さん、和気あいあいと楽しそうにお話しされていました。これもご縁ですね!
先ずはお寺に足を運んで頂くことが大切で、写経体験を通じて、写経の意義や、仏教に少しでも触れて頂けることでより充実した写経会となると考えています。
第2回は12月15日(土)午後2時から開催予定です。
お待ちしております。
児童養護施設、児童心理治療施設を見学!
昨日は日蓮宗大阪市社会教化事業協会主催の野外研修会があった。19名の教師参加のもと、バスで紅葉が色づき始めている大阪府吹田市の高台にある児童養護施設、大阪市立 弘済みらい園と児童心理治療施設の大阪市立 弘済のぞみ園を見学し、交流をさせて頂いた。
当園は、全国でも稀な児童擁護施設と児童心理治療施設の複合型施設で、大阪市より委託を受けて福祉福祉法人みおつくし会が運営する。
小1から高3までの、発達障害、知的障害、情緒不安定、引きこもり、不登校など様々な困難を抱えた、両施設合わせて80名の子どもさんが寝食を共にしている。
その背景には家庭を中心とした環境問題が原因にあり、大半の子どもは、ネグレクトを含む虐待を受けた経験を持ち、対人関係が上手くいかなかったり、コミュニケーションを図る際に恐怖心を拭い去ることが中々できない。虫とは仲良く出来ても地元地域の人にはどうしても心を閉ざしてしまう‥。
当園には、生活指導、心理的援助、学校教育、医療と大きな4本柱があり、それぞれ専門のスタッフが、子ども達を支援し、将来に向け成長し、自信を取り戻せるよう尽力されている。
また、野球やソフトバレーなど週4回の部活動もあり、大会にも積極的に参加しているとのこと。
先生からの詳しい説明の後は、子ども部屋、食堂、浴室、学習室、居間、カウンセリングルームなど校内施設を見学、スーツ姿の坊さんの訪問は、子どもさん達にとって、怖く感じるのではないかと懸念していたが、多くの子どもさん達はすれ違うと「こんにちは」と元気よく挨拶をしてくれた。
廊下などに貼られた標語が目に付いた。「あいさつ」「片付け」から「テレビを見る時のルール」や「恋愛について」まで、子どもたちが話し合って皆で決めたルールだと言う。(因みに恋愛は禁止だが片思いは良いそうだ‥)
子どもは親を選べない。我が子に対する虐待によって幼い命が奪われる事件が後を絶たない。このような悲劇は絶対にあってはならない。
無邪気な子どもたち、将来のある子どもたちを守るのは大人であり、このような児童養護施設が大きな役割を担う。貴重なことを見聞した研修会だった。
大切な宝を守るために、応援し続けたい。
大混乱のハロウィーン、実は仏教との共通点が‥
それにしても、今年のハロウィーンの大混乱は酷いものだった。日頃の鬱憤を晴らすかのように、若者らが繁華街に集まり騒ぎ立てる。
我が物顔に道路を横断する若者の姿が映し出されていた渋谷では、機動隊が出動し、暴行、痴漢、盗撮などで逮捕者も出る程の騒ぎ、火事まで起こる大混乱。立ち往生した軽トラックは、興奮した若者らに横転させられた。
難波では道頓堀川に飛び込む若者たちの姿を映像に映し出されていた。まさに暴徒化していると言っても良い。興に乗じ度を越した迷惑行為は言語道断である。
近年ハロウィーンはグッズの売り上げやイベントなど盛り上がりを見せ、その経済効果はクリスマス、バレンタインに迫るようだが‥
立ち入り禁止区域を作るなど、対処を考えなければ、発展性なく毎年同じような報道がされるだけだ。
ハロウィーンは元々古代ケルト人の宗教的な意味合いのある行事。
夏と冬が入れ替わるこの時期、この世と霊界の間の門が開き、死者と共に悪霊や魔女も一緒にやって来るとされた。元々は秋の収穫祭の祈りとともに、火を炊き悪霊の退散を祈ったそうだ。
後に悪霊や魔女から身を守るために子供たちが仮装するようになった。またカボチャをくり抜いて中に燭を立てて魔除けにした。 本来はカボチャではなくカブだったらしいが…。
気付いた読者さんもいらっしゃるかも知れないが、ハロウィーンは、どことなく仏教行事と似通っているところがある。
ご先祖が帰ってくるとされ、迎え火や送り火を行うのはお盆である。
カボチャではなくキュウリやナスをお盆にはお供えする。先祖の霊が早く帰って来れるようにキュウリで馬、ゆっくり帰ってもらうためにナスで牛を作る。
元々春には豊作を祈り、秋には収穫を感謝した太陽信仰と関係の深いお彼岸。
また悪鬼や悪星退散の祈祷も取り入れられるようになった仏教。
どんちゃん騒ぎしていた若者たちにとっては、そんなことどうでも良いと言われそうだ。
退散させなければならないのは迷惑行為を行っている者たちであろう。
お彼岸 〜大切な仏道修行とは?〜
23日は、日曜日と重なった秋のお彼岸のお中日、当山でも秋季彼岸会施餓鬼法要を行い、多くの方の参拝がありました。色々な方のお陰で無事に厳修できたことに心より感謝、合掌‥
お中日の前後の3日を含め計7日間のお彼岸期間中は、特に仏道修行に励み、悪事を止めて、善行を行い功徳を積むことが大切です。
一般に修行内容には、六波羅蜜と言われる六つの徳目があります。
布施(煩悩を捨て他者に施す。奉仕をする)
持戒(決まりを守り、規律正しい生活をする)
忍辱(苦しみに耐え我慢する)
精進(たゆまぬ努力をする)
禅定(心を静かに落ち着け、集中する)
智慧(正しく判断する。正しい教えを知り学ぶ)
いずれも、現代社会で生きていく上で大切なことですね!
『無量義経』というお経には、『六波羅蜜を修行しなくても六波羅蜜を修行した時と同じ功徳が自ずと備わる」と説かれています。
日蓮聖人が仰る仏道修行とは、『法華経』の教えを聞いて歓喜し信じること、お題目を唱える功徳によって六波羅蜜の修行が自然に成就するとのお立場です。
我が為だけに積む功徳は、真の功徳とはなりません。他者の幸せを願い、救済の手を差し向けることが大切なのです。それが『法華経』の教え‥
すなわち、ご自身が仏様のような慈悲の心を持つことにより、功徳が他者にも向かい、ご先祖や亡き方への成仏へと繋がる。それが追善なのです。
八尾図書館の今東光資料館へ行って来た!
作家僧侶はこれまで数多くいらっしゃった。現在では瀬戸内寂聴さん、玄侑宗久さんは言わずと知れた有名人だが、私の地元でもある河内・八尾市に、昭和26年から24年もの間在住され、活動された有名な作家僧侶がいた。小説家 今東光さんである。
偶々来館した9月19日は、何と今東光さんのご命日であったことを資料館にて初めて知った。
今東光さんと言えば、映画化されヒットした『悪名』の原作者。勝新太郎さんが演じた八尾の浅吉は有名となった。
資料館では、六巻ある『小説 河内風土記』が館内のみで閲覧出来る。八尾の人々や八尾を町を愛した東光さんの思いが結実した作品なので、是非入手して読んで見たいと強く思った。
また、直木賞受賞作『お吟さま』は、Kindleで読めることを知った。
他にも充実した展示が沢山あり、中でも東光さんと出会った人々のコーナーは興味深く、錚々たる面々と交流があったことが分かる。
入場無料で、私が訪れた時は居なかったが、ガイドさんから説明も聞けるそうだ。
余談だが、今東光さんが現在の八尾市西山本町にある天台院の特命住職に在任されていた時に、馴染みにされていた『美人館』という散髪屋さんがある。
私は小学生から大学生までその散髪屋さんに通っていた。当時いらしたおばちゃんがよく東光さんのお話をされていた記憶があもあるので久々に行こうかな(笑)。
9月1日、防災の日に考える
9月1日は防災の日で、この日を中心とした防災週間中には、各地で防災訓練など積極的に行われているようだ。大災害を忘れず教訓として学ぶことを私たちは怠ってはならない。災害の歴史は繰り返されるからだ。
本日の防災の日は、95年前の大正12年9月1日、20万もの命が奪われた関東地方を襲った未曾有の大災害となった関東大震災に由来する。
亡くなった方の多くが、現代の東京都墨田区で発生した大火災によるものだった。
作家、吉村昭氏の著書『関東大震災』から大震災の被害の凄まじさが伺える一文を紹介したい。
「死体は足の踏み場もないほど横たわっていて、所々に折り重なって焼死した遺体は堆く盛り上がっていた。それらは性別も識別できぬ遺体ばかりで、凄まじい炎に焼きつくされ、炭化し縮小したものがほとんどだった」と惨状が至る頁で描かれている。(吉村昭著『関東大震災』287頁参照)
本書には、その惨状の中で、1人の日蓮宗僧侶が遺体の群れに向かって読経を続けていたとの記載もある。
僧侶として大切なことで、私たちも見習うべき行動である。
大災害が起こった時に持ち場持ち場で何が出来るか、9月1日は、亡き御霊へのご供養と共に特に考える日にしたい。
子供たちのヒーロー 初代タイガーマスク佐山聡氏来たる!
皆さんにとっての子供の頃のヒーローは?
昨日は谷町妙光寺様に於きまして、日蓮宗大阪市社会教化事業協会主催で講師に、初代タイガーマスク佐山聡氏をお迎えし、講題『児童養護施設の子供たちへのサポート』〜幸せは伝染する〜と題し、研修会を開催させて頂きました。
管内外教師、寺族、檀信徒、一般参加者含め約60名のご参加がありました。
親からDVを受けた子供たちに、イジメられている子供たちに、寂しい目をした子供たちに寄り添える活動は尊いものです。
「鞄よりも布団が欲しい」と言って来た女の子、佐山さんに、これでもかというくらい抱きついて来れる子供たち‥。強く優しい佐山さんのお姿がありました。
また、佐山さんはメンタルコントロールを非常に大切されています。
人間の心の根源について説かれる仏教学、唯識についても学ばれているようで、心の深層部分の働きである阿頼耶識についても少し触れられました。
心技体すべてにおいての充実が、現役時代、大歓声の中リンクで戦う勇姿に繋がっていたのでしょう。
佐山さんは体調面で不安を抱えられており、休憩を挟んでの第2部は、元新日本プロレスの営業本部長の新間寿氏が登壇され貴重なお話を頂きました。
新間さんはタイガーマスク佐山聡を発掘されるなど、新日本プロレスを黄金期に導いた「過激な仕掛け人」と言われた有名な方です。
過去の生い立ちのお話から、苦しみを取り除く母(抜苦)楽しみを与える父(与楽)の慈悲のお話や、日蓮聖人「富木尼御前御書」の「男のしわざは女の力なり」の部分にも触れらました。
終わってから、佐山さんのご好意でサイン入りシャツやタオルなどの抽選会と握手会、写真撮影があり、ファンにとっても忘れられない1日になったのではないでしょうか。
お二人は日蓮宗の檀家さんと言うことでご縁があり、当研修会が開催されるに至り、様々な方のご協力の元、盛況のうちに終わったことに感謝したいと思います。
将来を担う子供たちへの支援活動と行うと言うことは、子供たちに全力で向き合い、寄り添うことが大切で、社会活動の姿勢の根幹が学べた研修会となりました。
夜は場所を北浜「光林坊」に移動し、懇親会がありお二人も同席されました。
余談ですが、体調面で不安を抱えておられる佐山さんでしたので、靴を履かれる際に、私少し補助をさせて頂きました。すると、すごく丁重にお礼を述べられ、腰の低い礼儀正しい方という印象を持ちました。