瀬戸内寂聴さん遷化

瀬戸内寂聴さんが99歳で遷化されました。
(仏教ではお母さんのおなかの中で過ごす一年も「命」として数えますので)数えで100歳…

 

日本で最も有名な僧侶かつ、最も人間のことを知っておられる作家だったのでは…

愛には自ら貪り求めるものと、与える慈悲があります。前者の愛は渇愛と言って欲しても欲しても渇きが満たされない苦しみの根源でもあります。後者の愛は相手の苦しみを除き楽を与えるものです。


自ら求めた愛の苦楽の人生、そして僧侶として忘己利他の精神で愛を与えて来られた方だと思います。

心よりご冥福をお祈りします。

 

f:id:m-eishumonk59:20211112231249j:image

f:id:m-eishumonk59:20211112231254j:image

 

秋のお彼岸法要と彼岸花について‼️

昨日は秋のお彼岸のお中日、午後2時からの彼岸会施餓鬼法要は感染拡大防止を考慮し無参詣で開催しました。

それでも、お墓参りは例年よりも多い参詣で、コロナ禍とは関係なく先祖供養を大切にする姿が拝察できました。

 


さて私事、今夏から境内墓地の美化も兼ねて園芸を始めまして、8月に植えた彼岸花の球根がようやく発芽しました。どうやら遅咲きのようで、彼岸花とは言えませんね(笑)。


彼岸花と言えば、秋の彼岸の頃に鮮やかな赤い花を咲かせることでその名がつきました。
リコリスとも呼ばれますが、美しさの反面、生物や小動物も近付かない程の毒花でもあります。


その彼岸花、別名が実に多い花としても有名です。
幽霊花、地獄花、死人花、墓花、葬式花など…なんだか恐ろしいような名のオンパレードですが、昔から墓地によく咲いていることから命名されているそうです。

 

彼岸花は自然に咲かないので、人が故意的に植えたとされます。墓地や畑に多く見られる理由は、小動物などの害獣からお墓や農作物を守る為に、毒花として植えらたそうです。縁起が悪い名ではなく、先人の思いが込められた花でありました。


また、曼珠沙華(マンジュシャケ)とも言われますが、こちらは仏教と大変関わり深いのです。
蔓殊沙華は、サンスクリット語のマンジュシャカが転じたもので、もともとの意味は「赤い花」であり、天上界の花とされます。


法華経』の序品第一には、曼珠沙華などの華が天から降り注ぎ、いよいよ『法華経』を説かれる際の兆しが現れます。お釈迦様への礼賛を表す意味があります。


他にも、花の時に葉を見ず、葉の時に花を見ない珍しい花で、「葉見ず花見ず」とも言われます。


沢山あり過ぎて語り尽くせません…(汗)


彼岸花の写真はイメージです↓

f:id:m-eishumonk59:20210924144004j:image

f:id:m-eishumonk59:20210924144008j:image

 

 

令和3年度のお盆の行事が終わった‼️

久々のブログとなります。
昨日は当山で盂蘭盆会施餓鬼法要があり、4日から14日までの棚経、15日、16日、21日に行った初盆法要を加えて今年のお盆の行事は無事に終わりました。

東京オリンピックの後くらいから、急激にコロナ感染が猛威を振るい、本来なら行事中止という判断を下さなけらばなりませんでしたが…
有難いことに卒塔婆、満座供養の申し込みも多くして頂き、お盆は最も大切な行事ということで、感染対策を講じて開催させて頂きました。

本当に今年のお盆は過去に例を見ない程の災害級の大雨続きで、各地で被害が起こりました。
先ずは被災された方に心よりお見舞い申し上げます。

今年の棚経参りは、猛暑の和らぎは体力的には助かりましたが、足元悪い中のお参りは、違う大変さがありました。加えてコロナ猛拡大…

尚、9月のお彼岸の行事は、参詣者方々の安全を考慮して無参詣で行うことが決まりました。

まさに混迷の世の中、安穏な世の中、日常が戻りますことを心よりお祈りします。合掌

76年目の沖縄慰霊の日

今日6月23日は76年目の「沖縄慰霊の日」である。

沖縄県民だけではなく全国民にとっての祈りの日であると思う。


沖縄戦は、太平洋戦争末期に米軍が上陸、激しい地上戦の中、約20万人が戦死した。多くの住民が戦闘に巻き込まれ、沖縄県民の4人に1人が亡くなったと言われている。


拙僧は、2016年個人的に糸満市を訪れ祈りと慰霊の旅をした。日本人として知っておくべき悲しみの歴史が沢山あることを知り学んだ。


特に糸満市など南部は沖縄戦の激戦地で未だに犠牲者のご遺骨が多く眠っている地でもある。


当地の土砂を辺野古移設の埋め立てに使う計画が進んでいて、戦没者を二度殺すことだと怒りの声が上がっている。


反対運動の声を無視して、新基地工事の埋め立てを進めようするのは悲しいとしか言いようがない。


平和と安穏が訪れることを…合掌

 

f:id:m-eishumonk59:20210623222402j:image
f:id:m-eishumonk59:20210623222353j:image
f:id:m-eishumonk59:20210623222357j:image
f:id:m-eishumonk59:20210623222347j:image

 

 

江戸時代の過去帳からの気付き

先日、お寺のHPから問い合わせがあり、明治初期に亡くなったご先祖が当山に祀られているかも知れないので調べて欲しいとのご依頼であった。

 

昔の過去帳を紐解き調査、江戸期のものから明治、大正までしっかり残されていた。

 

残念ながら、依頼者が探しておられる方の戒名は見つからなかったが、新たなる発見や気付きとなった。引き続き調査を継続したいと思う。

 

所で当山の江戸時代後期の過去帳には、〇〇屋という屋号が随所に見られる。

中には今も続いている檀家さんと思われる屋号もあった。

 

姓の歴史について興味があり調べると、当時は苗字の公称が禁じられていた一般庶民だが、特に大阪などは商人が多く、他の地域とも交流することが多い家は名前だけでは不都合なこともあり、便宜的に屋号を名乗るようになったそうだ。

 

あと特筆すべきは、現在より圧倒的に多いのは水子や嬰児、孩児の戒名であった。

 

政策、文化、医療体制や平均寿命、様々な歴史的背景が過去帳を見れば良く分かる。

 

f:id:m-eishumonk59:20210618215103j:image

f:id:m-eishumonk59:20210618215110j:image

f:id:m-eishumonk59:20210618215127j:image

f:id:m-eishumonk59:20210618215138j:image

 

朝勤中に突然大きな音が…

朝のお勤め中に突然大きな音がしたと思ったら瓔珞の一部が落下…

よく見ると一連が根本から欠落して全て落下していた。
単なる老朽化か?

大きな地震でも起こったら…

放置は危険なので金曜日に仏壇屋さんに来て見てもらう。

f:id:m-eishumonk59:20210609222749j:image

f:id:m-eishumonk59:20210609222753j:image

 

本の紹介〜小説『日蓮』を読んで〜

佐藤賢一著、小説『日蓮』読了!

 

直木賞作家、佐藤賢一氏による著書で、日蓮宗からの推薦書籍でもあります。

 

日蓮聖人降誕800年を記念し発行されたこの一冊は、何と発行日が本年二月十六日の聖日になっています。

 

立教開宗から身延入山後までの激動の半生、数々の法難に遭遇する中、法華経の行者として立ち向かうお姿は、臨場感に溢れる内容となっています。

 

教師の読者にとっては、色々な感じ方があるかも知れませんが、あくまで小説ということで読み進めると良いかと思います。

 

本書の中で『法華経』や日蓮聖人の御遺文にも随所に触れることができ、魂のこもった渾身の一冊だと感じました。

 

小説『日蓮佐藤賢一著 (新潮社発行)

f:id:m-eishumonk59:20210602213244j:image