令和元年 東北訪問記 〜釜石市、陸前高田市〜

9月に日本で開催されるラグビーワールドカップ、会場の1つになっているのが釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムである。先日仮設スタンドが完成し、急ピッチに最終工事が進められていた。

復興スタジアムの場所は、津波で甚大な被害を受けた鵜住居小学校、釜石東中学校の跡地。裏山などの高台に各自てんでんばらばらに避難するようにという指導もと、釜石の奇跡を生んだ場所でもある。

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しかしながら、現地の方からの声には、「津波てんでんこ」には賛否がある。家族にも構わずとにかく自分の命の守るために避難するということが、利己的な考えに感じるのだろう。

現地でもラグビーファンは多く、楽しみにされている方は多いが、周辺の宿泊施設や飲食店などは充分とは言えず、心配する声もあった。

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夜は陸前高田市の鶴亀鮨さんに行き、美味しい寿司を頂いた。

昨年夏に仮設店舗からついに本店舗がオープンした。2014年以降、仮設店舗へは毎年のように行かせて頂いたが、本店舗へはこの日が初めてだ。

阿部大将の情熱と人情味が大いにあふれる。それが有難いほどこちらに伝わってくるので、必ず会いに行きたいと思える鶴亀鮨の大将だ!

 

この日も埼玉から来ておられた元消防士の宮崎さんという方をご紹介頂き、フェイスブックでも友達になって頂いた。

また、その日は陸前高田市立図書館の元館長の菅野祥一郎先生とご一緒させて頂いた。こちらから、お手紙を事前にお出してお誘いさせて頂いた。

菅野先生には、仮設図書館だった頃に何度か訪問した際、講演などして頂きました。この日は久々の再会で様々なお話しをさせて頂きました。

仲間との再会の場となった。

 

震災後に繋がったご縁‥これからも大切にしたい。

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令和元年 東北訪問記 〜花巻市〜

童話作家宮沢賢治の『雨ニモマケズ』の詩の中に「行ッテ」という表現が三度出てくる。大変な状況下に置かれた人、不安を抱えた人の所に行って救いの手を差し伸べるという理想の行動が示されている。


まさに『雨ニモマケズ』は、行動の手ほどきとも言え、東日本大震災が起こった当初、私は何度も読み返した。あれから8年4カ月程が経過した。


今回は1人で岩手県を中心とした東北被災地への訪問、花巻空港を始めて利用した。一泊二日という限られた時間の中での動きとなる。

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花巻市と言えば、野球が盛んなイメージがあるが、何と言っても宮沢賢治の故郷である。
空港近くにある宮沢賢治記念館はファンにとっては外せない場所。到着後直ぐに向かった。先ずは童話村へ、賢治の学校で宇宙銀河の世界など宮沢賢治のファンタジー世界を体感。

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熱心な『法華経』信仰者として、多くの作品を世に残し、世界全体の幸福を祈られた宮沢賢治


昼食は隣にある山猫軒というレストランで‥
宮沢賢治の童話、『注文の多い料理店』の山猫軒が再現されたレストランがあったのだ。
「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」
山猫に食べられなくて、無事に店から出られて良かった!

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その後、最近前線が開通した釜石自動車道を使い、釜石市へ移動した。

防災学習と天王寺界隈散策

賛助会員のアジア協会アジア友の会主催の「南海トラフ地震への備え」と題して阿倍野防災センターでの体験イベントに参加した。

 

6、7年前にも、日蓮宗の社教会主催の研修会で訪れたことがあるが、防災学習は繰り返し学ぶことが大事。昨年も大阪で地震や台風の災害が起こったように、毎年のように様々な地域で災害が発生し、情報も更新されている。

 

震度7を起震装置で体験したり、火災現場で煙の中を低い姿勢を取りながらの避難訓練であったり、南海トラフ地震を始め、大阪で起こりうる災害被害を想定し、実践的な体験学習が出来るのがこのセンターの特徴。

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その後、天王寺界隈をミニウォークツアー、会員スタッフの方に案内して頂いた。

 

ご存知、飛田新地は旧遊郭の地として有名だが、元々難波新地にあった遊郭が、明治45年のミナミの大火で焼失したことから、飛田新地が誕生したそうだ。

 

宴会で行かれた方もいらっしゃるかも知れないが、一際目立つ古い建物「鯛よし百番」がある。大正期に建築された遊郭で、豪華絢爛な内装、美術は国の有形文化財に登録されている。現在は予約のみの料亭として営業されているとのこと。

新地内での写真撮影は、肖像権侵害でトラブルになる場合もあるとの事なので、一枚もシャッターは切れませんでした。

 

嘆きの壁が現在も一部残っているが、遊郭時代、遊女が逃げ出さないように周りに壁が築かれた。

新地エリアを一歩出れば、近代的なマンションなど多くある。光と陰の部分がまざまざと感じられた。

 

飛田新地の近くには、黒龍神社、天龍神社、白龍神社がある。ガイドさんによると、飛田新地一帯が戦火から逃れる事ができたのは、龍神さんの守護があったという説が‥。なお、白龍神社は飛田新会館の前庭にある。

 

最後は、一心寺に行った。大阪ではかなり有名なお寺だが、他宗ということもあり、実は初めて境内に入った。

境内には禁酒の神様が祀られている。徳川家康四天王寺本多忠勝次男、本多忠朝の墓がある。忠朝は深酒で身を誤り、最期は大阪夏の陣で討ち死にした。酒封じのしゃもじには祈願が書かれていた。苦しむ当人や家族の禁酒への祈りの数々、本当お酒は怖い‥

 

飛田新地からスタートし、ジャンジャン横丁、最後は一心寺‥。大阪のディープな場所を案内頂き、大阪人なのに知らないことばかりで勉強になった日となった。勿論防災に関しても‥。

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令和の幕開け〜平和で優しさに満ちた世になるよう祈る〜

新しい時代の幕開け、令和元年の元日の歴史的な日を迎えると共に、本日新天皇陛下が即位された。

国内は改元の祝賀ムードが漂う。

誠にお目出度く、心よりお慶び申し上げたい。

 

有名な神社や仏閣では御朱印帳を求め、長蛇の列ができた。うちは残念ながら、御朱印を求める参拝者はなかったが‥(笑)

 

平成日本は、戦争こそなかったが、第二の経済大国からの脱落、そして阪神淡路大震災東日本大震災始め、幾多の自然災害に見舞われた時代でもあった。


令和の令は、令室、令息、令嬢など相手に敬って使う意味がある。

さらに令は頭上に頂く冠を正し、人々が跪いて神仏のお言葉を聴くという意味から生まれた漢字でもある。和は和平の和、和合の和である。

 

令和の世が平和で優しさに満ちた明るく良き時代になることをお祈りする。

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仏教から社会を読み説く〜スリランカの連続爆破テロ〜

スリランカの教会やホテルで起きた連続爆破テロから1週間が経過した。

卑劣な悪業によって日本人1人を含む253名もの尊い命が失われた。先ず持って亡くなられた一切の犠牲者に対してご冥福をお祈りする。

 

今回のテロはIS組織が犯行に絡んでいると見られる。ISはシリア、イラクにおいて制圧されたとの報道があったが、残党がスリランカに帰郷していたようで、今では南アジアや東南アジアでテロが起こりうるとの事だ。

スリランカと言えば仏教国でもあり、仏教徒との対立もテロの要因となっているようだ。

宗教対話ではなく、テロという無差別暴力に走ることがどれだけ愚かなことであるか‥。

ニュージーランドクライストチャーチで最近起こったモスクでのテロの報復だったとの報道もあるようだ。

 

お釈迦様は、最も戦争、殺戮、暴力を嫌った。

相手が罵声や暴力で訴えてきても、スルーしいちいち反応しないよう教示しておられる。

売られた喧嘩は決して買わないのだ。

 

例えば、相手からの贈り物を受け取らなかったら、それは相手の物となる。

同様に悪口を浴びせられても受け止めなければ、吐いた相手が自分で受け止めることになるのだ。

テロが起こらない世の中を心より祈る。

イチロー選手の引退 〜空の実践者?〜

甲子園では平成最後の選抜高校野球が行われている。平成3年の第63回大会に先日引退したイチローが、愛工大名電高校の3番ピッチャーとして出場、一回戦で優勝した松商学園と対戦した。

 

松商学園には日ハムにドラフト1位指名されることになる注目の上田投手がいて、その試合でイチローは5打数無安打に抑え込まれた。他には阪神にドラフト1位で指名される大阪桐蔭の荻原選手もいた。

 

28年前、甲子園での華やかな舞台での戦いを観ていた人の中で、将来プロ野球メジャーリーグでのイチローの勇姿を誰が想像したであろうか?

 

イチローオリックスで7年連続首位打者、当時の安打数日本記録など、日本最強の安打製造機、最強打者として海を渡った。

 

日本人野手がメジャーで活躍できるのかと懐疑的な見方もあった中で、1年目からの首位打者最多安打、新人王などを獲得、その後10年連続200安打達成やメジャーシーズン最多安打記録、メジャー3000本安打など世界が認めるスーパースターとなった。日米通算で4367本は、世界記録としてギネス記録認定された。

 

東京ドームでのマリナーズ対アスレチック戦が現役最後の試合となった。感動的なシーンの後、深夜の引退会見はイチローらしく、一言一言に説得力があった。

「人より頑張ることなんて、とてもできない」「あくまでも、秤は自分の中にある」

人と比較するから自分の心が揺れ動き、様々な煩悩が生じるのだと思う。先ずは自分を見つめること。そこにイチローが会見で述べた「野球は団体競技であるが個人競技でもある」との発言が噛み合う。

 

先日亡くなった哲学者の梅原猛先生の平成14年に発行された著書の中で、イチローについて述べてる内容がある。それは『イチローは「空」を実践している』と小見出しから始まる。

イチローは球場に行く時、必ず1人で行くが、それは雑談によって心が迷ったらダメだからで、集中して心を空の状態にするからだ」と。

「試合でどんな球が来ても打てるように心のこだわりを捨てる。即ち空の知恵を実践している」と述べている。(朝日新聞社 梅原猛著『梅原猛の授業 仏教』参照)

 

本書はイチローがメジャー入団1、2年目の頃に書かれたのだが、買った当初は読んでも深みを知ることが出来なかったが、今でこそ良く分かる気がする。

梅原猛先生も凄いが、イチローは心身共に超一流だったとしか言いようがない。

お彼岸の中日 「子へ孫へと大切な信心の繋がり」

3月21日は春のお彼岸の中日、当山でも午後からいつもお世話になっているお寺さんご出仕の元、施餓鬼法要を行いました。

心配された天候でしたが、午後から回復し法要が終わる頃には、暖かな日差しに包まれていました。

天候にも恵まれ、参拝者も多く、中には子供さん連れの家族でのお参りも見られました。本当に有難いことです。

母の代わりに来ましたという方も数名いらっしゃり世代交代を感じました。しかしながら、仏事は子や孫へと相続するとが理想で、最も大切な信心の繋がりとなるのです。

幼い子供さんのお焼香姿、若い方のぎこちないお焼香の姿を目にすると、心が和みます。

 

来月4月6日は、当山で10時半より親子で参加できる「花まつりイベント」を開催させて頂きます。

お釈迦さまのご生誕についてのお話、甘茶・お焼香体験、うちわ太鼓体験などが出来ます!

お楽しみ袋のプレゼントもあるのでお気軽にいらして下さい!

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