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熊本訪問記 第2章

余談であるが、NHK大河ドラマ真田丸』にもしばしば登場する肥後国・熊本初代藩主の加藤清正公は、篤い法華の信者としても有名である。戦場では「南無妙法蓮華経」のお題目が書かれた旗を掲げ、お題目を唱えながら戦ったそうな。

後に清正は、九州熊本を中心に本妙寺、法心寺、本蓮寺、法華寺、本経寺を建立し、5ヶ寺の一文字づつを取って「妙法蓮華経」となるように号したと言われる。そんな加藤清正公と所縁のある肥後国熊本県には日蓮宗の寺院が108ヵ寺ある。

今回の熊本地震では熊本県を中心に被災寺院が48カ寺との報告があった。
最も被害の酷かった地域である益城町にも2カ寺ある。その1つの道安寺様を慰問させて頂いた。

車で町に入った瞬間に風景が一変した。高いビルこそないが、家々が軒並み損壊し、瓦屋根が剥がれ堕ち、ブロック塀が崩れ、隣の建物に寄りかかるように倒壊していた家も多くあった。
実際目で見ると、映像で見るよりも全体的な被害の凄まじさがより分かる。そん中をゆっくりと車を進め、道安寺様の駐車場に到着した。

住職が出てこられ、2度目の本震で天井と壁が崩れ堕ちた本堂に案内頂いた私達は、そこで貴重なお話を伺った。

16日の本震が起こった際には、境内の駐車場内に駐車していた車内にご家族と避難されていたご住職。激しい揺れと共に車ごと5メートルくらい飛ばされたと仰っていた。建物内にいたらと思うとゾッとする。

二階にある本堂、震災当初は天井と壁が崩れ堕ち、散乱していていたが、方々のお手伝いもあり、一カ所にまとめられ、堂内には大きなブルーシートがかぶせてあった。
床と壁の隙間に完全に挟まって取れないガラスの一部から、地震の激しさが想像出来る。

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復旧は長期戦を強いられるであろう。被災されている檀家さんも多くいらっしゃり、寄進のご協力と言っても厳しい現状が待っている。更に政教分離の原則により、神社仏閣など宗教法人施設は行政より義援金は分配されない。修復にあたっては、想像以上に金銭的な補助、支援が必要な現状であることを認識した。

その後、住職の先導により町中を歩いて視察した。
 倒壊した家屋が手付かずのまま並んでいる。取り敢えず道を阻むものはどけて、車が通れるようにした感じだ。

14日に一度目の最大震度7地震が起こった時は、これが本震とされていたので、もうそれ以上の揺れはないと考えるのが普通で、安堵しているところに本震が来たのだった。実にエネルギーの大きさが16倍だったという。一度目の地震には何とか持ち堪えたが、後の本震で倒壊した建物が多くあったようだ。2度の震度7クラスの激しい揺れに耐えられるようには普通は建てられていないそうだ。

被災した建物には色別に張り紙が貼られていた。赤い紙は立ち入りが危険な建物。黄色の紙は建物内に入る場合は注意が必要。緑の紙は調査済みで使用可能という意味があるそうだ。

仕事が殺到している瓦屋、解体業者など、悪質な法外な値段の釣り上げや、解体業者を装っての詐欺グループなども出現しているそうなので注意が必要。

また、道安寺様では住職の許可を得て堂内の写真を撮らせて頂いた。地震の被害や状況を多くの方々に知ってもらうためにも文章や説明だけでなく、写真を見て頂くことも大切な部分なのかと思う。もちろん撮影は節度を守り、被災者の方々への配慮が必要。

益城町を後にし、私たちは熊本市内へと向かった。

つづく