我慢と自粛警察
コロナ禍の中、緊急事態宣言が延長されました。
引き続き、更なる我慢が強いられます。
我慢という言葉は、元々仏教用語であり、普段私たちが使っている我慢とは意味が異なります。
仏教で慢は、他者と比較して自らおごり高ぶり、過大評価することを言います。
慢は七慢に分けられていまして、その中で代表的なものが我慢、邪慢、増上慢であります。
我慢は、自負心の強いうぬぼれの心
邪慢は、徳がないのに他人を凌ぐこと。
増上慢は、悟ってもいないのに悟ったと思っていることです。
全ては慢心から生まれる我への執着であります。
今まさに、不安や恐怖心が蔓延し、イライラや怒りが生じ、あちこちで醜い対立が起こっています。
自粛警察と言われる私的な取締りを行う一般市民が増えています。
正義感を振りかざして、外出自粛や営業自粛に応じない人や店舗に対して、監視の目を光らせ、通報したり、ネット上に晒したり、張り紙をしたり‥
要請に従っている自分の行いは正しく、従わない人は全て悪と見做す考えは、正義感に酔っている状態で、自負心の強いうぬぼれそのものです。
仏教は因果を説きます。人の心や行動が反映された結果が環境となります。
故に苦から逃れ、利を求め、自粛をしないという行動も他者や環境に影響を及ぼします。
1人1人が慢心をなくすし、現実から目を背けず、調和と平和を目指すのが仏教です。