被災者サポートセミナー開催!

7月21日、大阪市谷町の大阪府社会福祉会館で、日蓮宗大阪市社会教化事業協会主催の研修会として「被災者サポートセミナー」〜希望へ〜があり、各地より僧俗合わせて50名以上もの方にご出席頂きました。

 

講師はNPO法人よろず相談室理事長の牧秀一先生です。先生は、阪神淡路大震災で被災されましたが、直後からボランティア活動をされ、最近では東日本大震災の被災地にも訪れ、現在も様々な活動を続けておられます。本も執筆、メディアにも登場され訴えかけておられます。

 

当日は、被災地の現状や被災者の苦悩、ボランティア活動の実態や私たちにできる支援のあり方に関してお話をして頂きました。

大切だと思われた内容をシェアさせて頂きます。

 


◎現状の認識
▼震災など災害で亡くなられた方々は、それぞれの大切な人生が奪われたことを考えなければならない。それは災害の規模で決められるものではない。

 

◎支援のあり方
阪神大震災の後、当初は何をして良いのか分からなかったが、先生という立場上、避難されている方々の話が聴けることを知る。

 ▼新聞の記事を切り抜いて被災者に届けたりして、日々被災者のもとを訪れ、お会いすることで、信頼関係が築かれて行った。
東日本大震災の被災地へ震災当初訪れた時、何も出来ないと思った。
だが、手作りのクリスマスカードを現地の子供たちに送ったことがきっかけで、文通が始まった。


◎避難生活での問題
▼避難所等において被災者同士の差別が現地であった。

▼高齢者や障がい者など自力での避難が通常の人より困難な災害弱者にとって、命が助かっても、避難所での生活や、その行く末の仮設住宅、復興住宅での生活でも困難な現状がある。

▼避難所でのトイレの問題は未だに未解決。

▼他者に迷惑をかけない為に車内泊をされている方も実際多くいた(熊本地震など)

 

◎被災高齢者問題
▼家族、家だけでなく写真などの思い出の品さえも失われる喪失感。

▼復興住宅では知人や身内も少なく孤独である。

▼生きてることへの恐怖心が増す。

▼自殺者、孤独死が多い。

▼被災後慣れ親しんだ地域からの移動、強制転居など。

仮設住宅は抽選で決まる為、あちこちの地域から集まる。

▼お隣さんとの会話がない。孤独死していても発見されないこともあった。

 

◎震災障がい者問題
▼突然障がい者になる現実。

▼災害見舞金は一級障がい者以外はもらえなかったり、もらえても僅か‥

▼自殺を考えた=4割、生き甲斐を失った=7割、公的支援に不満=8割 (以上、阪神大震災後5年目で)

 

◎訪問活動の意義
▼専門家に頼るのは最後の砦、資格がなくても誰もが出来る。

▼そばにいることが大切、1人ではないと感じてもらう。

▼(被災者に)楽しい思い出作りをしてもらう!

▼(被災者が)無理し過ぎないこと!

▼(被災者で)同じ悩みを持つ同士の集いを持つように!

 

◎訪問だけが全てではない
▼手紙、カードを送る。電話をかける。

▼忘れないでいること。

 

以上、「人は人によってのみ救われる」ということを学ばせて頂いた研修会となりました。今後の活動に活かして行くことが大切です。


研修会終了後には、天満橋へ移動し講師先生を囲んで懇親会があり、そこでもお酒を酌み交わしながら意見交換をさせて頂きました。

 

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