先代住職からの訓誡「人に喜ばれることを」

年始のお参りで檀家さんの家を毎日まわっている。
あるお家のTさんが、今年の暦を見ながらこう仰った。

数年前、真っ黒な星廻りの年は、どうしたらいいかと先代の住職に尋ねたところ「人に喜ばれることをすれば、黒が白に変わっていきます」と言われたそうだ。

 

まさにその通りで、お釈迦様は生まれによって地位や価値が決まるのではなく、行いによって決まるとカースト制を真っ向から否定した。

生年月日によって決まる運勢もそうで、変えられないのものではなくて、その人の行いによって変わっていくのである。

 

運勢、お調べ、星占いなど信じる信じないは自由だが、その結果や内容に固執し、捉われ過ぎると何も行動に起こせなくなる。それこそが仏教で苦や迷いの原因となる執着である。

亡き先代からTさんへのアドバイスを訓誡として受け止めようと思う。