掃除の大切さ

仏道修行の最も基本で大切なことはと聞かれたら、何とお答えになりますか?
お経を読むこと、瀧に打たれること、座禅を組むこと、学問に励むこと、断食などの禁欲生活…?

実はそれら何れでもなく、給仕と清掃が挙げられています。

日蓮宗憲法に当たる、宗憲第5条においても「本宗の行学は、給仕をもって第一とし法器の向上完成を本旨とする」とあります。日蓮宗に限らず、他宗派も給仕は最も大切な修行としています。

仏様に仕えている身としては、当然のことでもあるし、朝作りたてのお茶や綺麗なお水をお供えすることは感謝の気持ちの表れでもあります。

勿論、掃除をすることもお給仕の一つであります。

住職となった私は、決して怠ることなく勤めて行かなければなりません。

そんなことで、今日はお寺の大掃除をしました。
自分のご先祖だけでなく、これまでお寺を支えて頂いてきた、仏祖、檀信徒のご先祖様に対する感謝の気持ちを大切にすることで、自ずとすべきことが見えてきます。



お釈迦様のお弟子の周利槃特は甚だ愚鈍で鈍根第一と言われました。お経の一節をーいつまで経っても覚えられず、自分の名前さえ忘れる有様でした。
ある時、お釈迦様はそんな彼に一本の箒を与え、「 垢を流し、塵を除く」と唱えさせ、精舎を掃除させたのです。彼はお釈迦様を信じ、それから毎日一心に掃除をし続けました。やがて、心の垢が落とされ聖者となり、成仏の道が開けたのです。


住職というお寺の代表になったからこそ、基本に立ち返っていくことが大切ですね。

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