集団的自衛権に対する考え

昨日、大阪中之島リーガロイヤルホテルで宗政勉強会があり、当会会長でもある中川宗会議員が冒頭の挨拶で集団的自衛権の話題について触れられた。勿論反対の念を力説しておられた。

述べられたことは、新聞やネット記事等を読んでいたら分かることであるが、日蓮宗教師としての立場からの投げかけが新鮮であり、刺激にもなった。
宗会議員も仰ったように、僧侶も社会で活動するに当たって、最低限の時事の知識は必要だと思う。

1日、逸早く伝統仏教の連合組織である全日本仏教会の齋藤理事長は談話を出された。
仏陀の和の精神を仰ぐ者として、このたびの集団的自衛権の行使を容認する閣議決定には、人間の知恵の闇を垣間見るがごとき、深い憂慮と危惧の念を禁じ得ません」

述べられている通りだと思う。

戦争放棄を定めた憲法9条は、先日正式にノーベル平和賞の候補になった。世界に誇れる立派な憲法だと思う。日本は戦後一度も、他国で武力をかざし人を殺したことがなければ、侵略したこともない。

7月2日の朝日新聞の社説の内容がリアリスティックである。
「この不条理劇の幕が下ろされた時、外の光景は以前とは違ったものになるだろう。他国で戦争ができる国へ。時の政権が憲法を都合よく解釈できる国へ」

6月29日には、東京南口で男性が安倍政権への抗議で、焼身自殺を図った事件は、かなり影響力のある大きなニュースであるはずだった。アメリカのニューヨークタイムズやイギリスのBBCなど、海外メディアも次々に報じたのに比べ、日本のメディアでは大きく取り上げなかったのに違和感を覚えた。

聞くところによると、自衛隊を辞めたいと言っている隊員が既にいるそうだ。
自衛隊への入隊者が少なくなると将来徴兵制が敷かれることになるだろう。男女平等と言って女性も徴兵されるかも知れない。これは他人事ではない。

安倍政権は、選挙で決まった政権与党だからという大義名分をかざし強行を続けるのだろうか?

主要な世論調査の結果によると、集団的自衛権行使反対が賛成を上回る現状から、この閣議決定は、半数を越える国民の意見を無視していると言わざるおえない。
これが民主主義国家と言えるのか?

だがあの時、目先の景気回復、アベノミクスに惹かれ自民党に投票した国民、或いは政治に無関心で選挙に行かなかった国民が多かったということも、我々は知っておかなければならない。