阪神淡路大震災から27年…

今日1月17日は阪神淡路大震災から27年の祥月命日…27年前、私は東京にいた。
朝起きてテレビを付けると神戸と大阪市内の上空からの中継が画面に映っていた。炎が上がり大変なことに…
大阪の実家に電話をするも中々繋がらない。


大学からの帰宅後、夕方になって家族の無事は確認が取れたが、死者数がどんどん増え甚大な被害の様相が分かって来る。長田区など神戸周辺が大変なことになっている事が分かった。

 


春休み、自坊がある大阪に帰省、今は亡き先代住職と在住の檀家さんの自宅へお見舞いへ行った日が3月9日、当日のことが日記に記されていた。


行ける所まで電車に乗り、途中でタクシーに乗り神戸へ向かう。窓から目に映る光景が急に変貌する。更に道路を隔て山側と海側の被災の違いに驚いた。
傾いた檀家さんのご自宅、ご家族無事で何より。
我々の訪問にすごく喜ばれていたIさんも、昨年91歳の天寿を全うされた。


今日は自坊で法要、卒塔婆を建立し、6434名の御霊に合掌し祈りを捧げた。南無妙法蓮華経

 

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写真は2年前に訪れた新長田駅前広場で…

 

 

令和4年初講での挨拶「光と影」

今日は今年の初行事、初講がありました。

初講(はつこう)とは、同一の信仰を持つ人々が集って仏典を年始に初めて講じること、読誦会を行うこと、初の仏事、法会、儀式であります。


元来は「講義」「講読」の「講」であり、平安時代に仏典を講読・研究する僧の集団を指すものでした。お講と呼ばれ、現代に至ります。

 

年頭の挨拶では、調べた干支の巡りから、堕落と成長の両極端の動きがある年であるとお伝えしました。 

 

堕落も人生なら成長も人生、堕落あっての成長があります。逆に成長の先に堕落が待ち受けていることもあります。

 

幸せと辛いの漢字はよく似ています。似て非なるものと言っても良いでしょう。
しかし、ある一つのことがきっかけでどちらにも変わるのが人生であります。

 

影が目に映ることは光があるから、また光があるから影があるように、この世の有り様は表裏が一体となり成り立っています。

 

日の目を見、極光を浴びる人がいる反面、陰の力、縁の下、裏方が引き立て役として実は大切な役割だったりします。

白黒、善悪で物事を見て、決め付けてはならないのが仏教の教えです。

 

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令和4年新年のご挨拶 〜元日と元旦〜

新年明けましておめでとうございます。
旧年中はお世話になり有難うございました。
本年もよろしくお願い致します。


ご存知、1月1日を元日、元日の朝を元旦と言いますが、日の下の「一」の文字は地平線を表しているそうです。まさに地平線から太陽が昇り行くサンライズ!初日の出の有難い姿ですね!


日蓮宗の食法の冒頭には、「天の三光に身を温め
地の五穀に精神(たましい)を養う。皆これ本仏の慈悲なり…」とあります。


三光とは、太陽と月と星、具体的には日天子・月天子・明星天子三光天子のことであります。


三光天子とは、法華経の「序品第一」でお釈迦さま説法の会座に登場する仏法守護の神であり、後には、法華経行者の守護を誓われた神でもあります。


私、ここ数年元旦のお勤めは、法華経の「序品第一」を最後までお唱えしています。一年の元日、元旦に相応しいと感じるからです。


お釈迦様のお説法が始まろうとしている霊鷲山の会座に菩薩衆、お弟子達、三光天子の神々達が集まり、不思議な奇瑞が起こり、いよいよお説法開始の兆し、舞台が整います。


令和4年が安穏な世となりますように、更に皆様にとって幸多き年となります様お祈り申し上げます。

合掌

 

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令和3年、コロナ禍での良き出会い!

令和3年もあと僅かで終わろうとしている。

 

1月に予定していた先代住職の七回忌が緊急事態宣言発令の為に、家族近くの親族のみで行ったり、昨年に引き続き、宗門や自坊のイベント、行事も中止、縮小を余儀なくされた一年だった💦

お世話になった人の突然の悲しい旅立ちもあった。

 

そんな中でも、この状況下でできることを考え実践したことが良かった。

オンラインでも出来ること‼️

 

英語教師の妻のオンラインレッスンを通じて、かけがえのない出会いがあった。

私も昨年から継続中のお寺のLINEページでの仏教クイズ配信で、登録頂いている方との良きご縁があった。

積極的に一歩踏み出せば、良き出会いとなる!

 


ご縁からグランドピアノをお譲り頂いたことで、ゼロベースから始めたピアノや境内の美化をと思い始めた園芸は私にとっては大きかった。

 

コロナ禍ではあったが良きご縁の一年、お世話になった方々には報恩感謝!合掌

 

新年も皆様にとって良き年になります様に!

 

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露の団姫さんが建てられたお寺で落語観笑!

昨日は、とあるご縁から尼崎市天台宗道心寺様にお参りし、縁日寄席を聴かせて頂きました。落語は観賞ではなく観笑とか…(笑)

 

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住職はテレビやラジオでもご活躍されている落語家の露の団姫さん、今年に建立されたばかりのお寺の本堂には、寄席の舞台があり、毎月3のつく日に数名の噺家さんによる寄席が開催されています。

 

最近出版された(数日前に購入したばかりの)『お寺を建てる!まるこの道心寺物語』(春秋社)にサインを頂き記念撮影!

 

うちが日蓮宗寺院いうことをよくご存知のようで、ご檜舞台の上に掲げてあるのは「法華経の「如来壽量品」の壽です」と仰っていました。

山号は「不軽山」でこちらも、法華経「常不軽菩薩品」からで『法華経』縁のお寺でもあります。

 

人が集う笑いの絶えない斬新的なお寺でした!

 

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うちのお寺にタイガーマスク現る?

10年程前に全国でタイガーマスク運動というものが広かったのをご存知だろうか?

 

漫画『タイガーマスク』の主人公、伊達直人を名乗り、恵まれない子どものためにランドセルを寄付するという善行が注目を浴び、メディアによって報じられた。

 

実際アニメで伊達直人は、自分が世話になった孤児院のために覆面レスラー「タイガーマスク」として戦い、そのファイトマネーを匿名で寄付していた。

 

うちのお寺で、どなたか分からないが、(恐らく)お墓参りの方が時々トイレットペーパーを置いて行かれる。

 

寺務所には声を掛けずに、置いて立ち去って行かれる。私も寺族もその善意に溢れたお姿を見たことがない。きっと自ら名乗られることはないのだと思う。

参拝者用のトイレで有難く使用させて頂いている。合掌

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気仙沼の美しい砂浜が守られた

気仙沼市の大谷海水浴場は「快水浴場百選」に選ばれ、震災前は多い年で20万人以上が訪れた。しかし、2011年、津波でその姿が一変した。


震災後、行政は巨大な防潮堤、砂浜を埋める形の防潮堤計画が立てられた。
しかし「地域の象徴が失われる」「景観が損なわれる」という住民からの反発の声によって、国や県が計画を見直されることになった。


 私は2017年7月に海岸周辺を訪れた。大谷海岸から少しばかり南下した小泉海岸を見下ろす高台に献花台があったので祈りを捧げた。
この付近にも住宅地があって、多くの住民の命が失われた場所だと聞いた。


 震災前は白い砂浜が美しい海水浴があってそこに、14,7メートルもの防潮堤が計画に向けて工事がその日も進められていた。


住民説明会でのこと、1人の高校生が建設に反対意見を述べたが、会場からは罵声が飛び、失笑が漏れたそうだ。その後時間切れという言葉で会は閉じられたとのこと。どこまでも強引に進める行政だったと現地の方から聞いていた。


だが決して諦めることはなかった。今回、若い世代が立ち上がり、住民の4割近い署名を集めて諦めずに行動した結果が実を結んだ。


ただ高い防潮堤を建設するハード面だけでは駄目、海が見えない景観は異様に映るし、防潮堤だけでは人の命は救えない。希望の砂浜は永遠であって欲しい!

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