元気だからこそ戒名を!

生きているうちに「戒名」を!

と勧めると、「縁起でもない。まだまだ元気なのに‥」という方が必ずおられます。

戒名とは亡くなった人に付ける名だと思われている方がいると思います。戒名の戒とは仏教の戒律の意味であります。

 

仏道修行の一つに持戒があります。戒律を持つことですが、分かりやすく言えば仏教徒として生活規範をしっかり守ることです。

 

日蓮宗では、お題目を受持することこそが、戒律を持つことになります。法華経「見寶塔品」の最後、「此経難持」から始まる経文には、「是を戒を持ち…無上の仏道を得たり」と説かれます。『法華経』を持つことが仏道を得ることになります。

 

ですから、『法華経』を信じ、お題目をお唱えされている檀信徒の方々は、生前から既に持戒者でありますので、改めて授与するのは戒名ではなく、法号と言うのが教義的に相応しいとされます。

 

ここ最近は、葬儀の形態が簡略化され、通夜や葬儀を行わないゼロ葬や、戒名も不要であるという方もおられるようです。喪主や遺族の意向が大きく反映される傾向にあるようです。

 

み仏の弟子、または仏教徒としての証である法号(戒名)がなければ、成仏の保証はあり得ないと心得るべきです。

 

逆修法号(戒名)と言って、生前に付けられる方もいらっしゃいます。逆修には、あらかじめと言う意味があります。

 

法華経』に説かれるように、お釈迦様もお弟子に成仏の保証を生前に与えておられました。

本来であれば、生前に住職から法号授与の「逆修法号式」を菩提寺の本堂で営むことが理想とされ、その功徳も大きいとされます。

元気だからこそ、仏教徒の証として、法号の授与をお勧めしたいです。