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お彼岸と感謝の心

お彼岸ということで、お墓参りに行かれる方も多いかと思われます。
三離れと言って、墓離れ、葬式離れ、寺離れと言われつつも、老若男女問わず、お彼岸やお盆に熱心にお墓参りされている姿を見る限りは、それ程感じませんが現実は違うようです。

誤解を恐れずに言うなら、日本の仏教の在り方は、オリジナルの仏教とは異なる先祖崇拝、先祖供養が主流の「先祖教」と言え、墓参りはしてもお寺参りはされない。仏壇に祀られているご本尊が何か?果てはご自分の宗派もよく分からない人が結構いるのが現実です。

でも先祖霊崇拝・供養は、古来より先祖を大切に思う気持ち、感謝の気持ちを大切にする日本人の良さでもあるのでしょう。

さて彼岸会ですが、そもそもインドや中国、東南アジアの仏教国でもなかった日本独自の仏事であります。。しかし今とは違う祈り方をしていました。

古来より日本は農業国、天候によって日々の生活が左右される訳です。よって太陽というものを非常に重要視し、お天道様【おてんとさま】と言われるように、太陽信仰のようなものが盛んでありました。

特に太陽が真東から上り、真西に沈む春分秋分の日は重要な節目でもありました。太陽に感謝と祈りを捧げるとともに、春は豊作を祈り、秋は収穫に感謝を捧げ、祭りが催されていたそうです。

そう言った意味から「彼岸」の語源は、日に願う「日願【ひがん】」から来ているという説があります。お天道様のお陰で農作物が食べられ、日々生活できるということで、感謝の気持ちを大切にして来たのではないでしょうか?

ご存知「有難う」は、「有る事が難しい」「滅多にない」「得難いものを得る」と言った、あることが当然と思わないで感謝の気持ちを込めて伝える言葉として広まりました。
きっと、太陽に祈りを捧げた古の先人達は、そんな気持ちで感謝の意を表したに違いありません。

そしていつしか、お彼岸の行事として祖霊に対する祈りの儀式が行われ、お彼岸と先祖供養とが結びついていきました。西に沈みゆく太陽を拝みながら、亡き両親・祖先に思いを馳せ手を合わせたのではないでしょうか?

是非、お彼岸にはそう言った歴史と感謝の意味を知って頂き、お墓参り・お寺参りをして頂きたいと思います。そして、何よりも私たちをいつも見守ってくださるご本仏の慈悲にも感謝をしなければなりません。


明日は自坊でも午後2時から彼岸会施餓鬼法要があります。
先立って午後1時から約30分間、講話として、がん患者さんを看病している人のサポートの会の代表、酒井たえこさんとメンバーによる、『がん家族の看病のお話会』があります。
檀信徒の方のみならず、どなたでもご参加になれます。会費は無料です。