「花音祭vol.2」を振り返って 第1話

4月5日、夕方から降り出した雨は強さを増すばかりでした。
上がってくれることを祈りつつ床に就きましたが、翌朝も雨が残っていました。

だが、オープニング時間が近づくにつれ、西の空が次第に明るくなってきました。

お昼を過ぎて、出演者やスタッフの皆さんがお寺にどんどん集まって来られました。
12時45分顔合わせ‥。私が挨拶して、演出担当の泉たくとさんが連絡事項を告げる。
「とにかく楽しみながら、そして思いを一つにしましょう」とだけは主催者である私からお伝えさせて頂きました。

いよいよ開式、堂内にはUstreamのカメラが設置されていました。有難いことにUstreamの皆さんには早い時間から有志で来て頂け、ライブでの放送をお届け頂きました。
当寺でのチャリティーコンサートは、今回で3回目になりますが、Ustream放送をして頂けるのは初めてのことです。発信は大切であります。

既に結界の外に設えた席はほぼ満席状態。
少しばかり張り詰めた空気の中、幕が切って落とされました。
来賓の挨拶のあとは、VTRの上映会。先月、シンガーソングライター泉たくとさんと訪れた被災地、3年目が過ぎて薄れゆくリアリティーの中、その先にあるものを探し求めて歩いた今回の訪問でした。その記録をVTRにまとめて、参加者の皆さんに何かを感じて頂きたいという強い思いが我々にありました。

編集作業は、パソコン・映像編集に精通した小黒さんという仲間が助けてくれました。
出張先に持ち込み作業をしてその都度送って頂いたりしました。

映像の挿入文章や説明は私が作文。音楽シーンは泉たくとさんの大川小学校や気仙沼での演奏を盛り込みました。各々の得意分野が集結した、リアリティーとメッセージ性のあるVTRができたと自負しております。ビデオを観て中には涙されていた方もいたと聞きました。

撮影では関西の方へのメッセージということで、被災地の方々の生の声を頂きました。この場をお借りしてご協力頂いた方々に感謝申し上げたいと思います。

余韻の残る会場で、住職と私による東日本大震災で犠牲になられた全ての諸霊に対する慰霊法要として唱題行を厳粛にさせていただきました。仏具が奏でる音と唱える声に堂内の空気が変わったのではないかと感じられました。参加者全員で非業の死を遂げらた亡き御霊に対して祈りを捧げたかったのです。


つづく

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