仏教から社会を読み説く 「恵方巻きの大量廃棄」

今や2月3日の節分の風物詩でもある恵方巻き。

近年、売れ残り商品の大量廃棄が食品ロスが問題となっている。農林水産省から作り過ぎを控えるよう業界などに要請があったようだが、少し減ったとは言え、相変わらずかなりの大量廃棄量だったみたい。

 

恵方巻きに限らない。毎年のクリスマスケーキもそうだし、日常的にも外食産業、家庭から出る生ゴミからもかなりの食品ロスが出ているようだ。

 

世界の人口の半数近くが一日200円以下で生活を余儀なくされる貧困層、さらに8億人超が栄養不足との報告もある。

食べたくても食べられない人々、飢餓状態にある子供さんが沢山いることを心して考えなければならない。

 

我々日蓮宗の僧侶は、修行の際、食前に食法(じきほう)という文言を唱える。最後の部分を抜粋する。

「‥たとえ一滴の水、一粒の米も功徳と辛苦によらざることなし。我等これによって心身の健康をまっとうし、仏祖の教えを守って四恩に報謝し、奉仕の浄行を達せしめたまえ。南無妙法蓮華経

 

天地の恩恵、幾多の犠牲と労働の元、私たちは食材の命を頂いている。

人間は栄養を摂取しなければどうなるだろうか?

改めて今ある我が命について考える必要がある。

 

 

 

 

 

仏教から社会を読み説く「不正とは」

「仏教から社会を読み説く」というテーマで少しずつ書いて行きます!

 

「不正」とは読んで字の如く正しくないことで、正義ではないこと、よこしまなことという意味でも使われる。

今、不正な調査によって政府への信頼が益々揺らいでいる。

 


お釈迦様は八正道という八つの正しい実践徳目を説かれた。

一、正見→正しく道理を見る、観る

一、正思→心しい思惟、正しく考え思うこと

一、正語→偽りのない正しい言葉遣い

一、正業→不正のない正しい行い

一、正命→正しい生活

一、正精進→正しい努力

一、正念→正しい心の落ち着き

一、正定→正しい精神統一

 

これらの実践が、煩悩をなくし、苦しみを滅する方法だと説かれている。

国民の代表者が嘘、偽りの繰り返し、不正を行っている限りは、不安や怒りを増長し、安定した社会からは程遠いだろう。

平成最後の初講&新年会

12日は、当山で初講&新年会がありました。

初講(はつこう)とは、同一の信仰を持つ人々が集って仏典を年始に初めて講じること、読誦会を行うこと、初の仏事、法会、儀式であります。

 

元来は「講義」「講読」の「講」であり、平安時代に仏典を講読・研究する僧の集団を指すものであったそうです。お講と呼ばれ、現代に至ります。

 

初講での挨拶は、干支についての少しお話しました。

 

今年は己亥(つちのとい)であります。十二支と十干の組み合わせで60年に一度訪れます。

己とはもつれ絡まった糸を解きほぐすという意味があります。改、起という漢字に含まれているように、物事を再起、改めやり直す年にしたいものです。

 

また、亥は固いものや物事の骨格、中心を意味し、核という漢字がまさにそれを表しています。刻とすれば、心に刻む、歴史が刻まれる年となるでしょう。信仰面から申しますと、更なる信力堅固にしたいものです。

 

初講の後は、檀信徒会館で新年会をさせて頂きました。今年は住職とジャンケン大会をしました。住職に勝った方から、袋に入った景品が選べ、ゲットした順に一言述べて頂きました。中々盛り上がりました。

 

自分がやりたい事を行うよりも、人に喜んでもらえるお寺にして行きたいと考えています!

本年もよろしくお願い致します。

f:id:m-eishumonk59:20190114220348j:image
f:id:m-eishumonk59:20190114220359j:image
f:id:m-eishumonk59:20190114220352j:image

 

 

 

 

 

 

平成31年 新年のご挨拶と今年の抱負

新年明けましておめでとうございます。旧年中はご高配を賜りまして厚く御礼申し上げます。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

「1年の計は元旦にあり」と言われるように早い目に計画を立てて臨むことが大切です。

皆さんは今年の抱負や計画を立てられましたか?

 

今年の抱負という程、大それたものでもありませんが、住職として年始に綴っておきたいと思います。

 

昨年末から始めた写経会のイベントを継続し、英会話サークルや、大切なお寺の行事についても見直し、人が訪れたいと感じるお寺を目指し、工夫を凝らしたいと思います。

 

肝要なことは、自分がしたい事を考えるよりも、人に喜ばれることを考え行うことを大切にしたいと思います。

 

最後になりましたが、皆様のご健康とご多幸をお祈り致します。

 

f:id:m-eishumonk59:20190104204156j:image

f:id:m-eishumonk59:20190104204140j:image

 

平成最後の大晦日に‥

平成30年もあと数時間で終わり、新しい年を迎えます。様々な方々にお世話になり今年も無事に過ごすことが出来ました。心より感謝申し上げます。

 

それにしても今年は各地で大きな災害が多発した年でした。災害により亡くなられた方々のご冥福を改めてお祈りすると共に、被災され未だ不自由な暮らしをされている方々へ心よりお見舞い申し上げます。

また、本年亡くなられた多くの著名人方々始め、亡くなられた全ての万霊に祈りを捧げます。

 

私欲に塗れた国家、政治、社会の体たらくにはうんざりでした。道標を誤ってしまうと平和で安穏な国には中々成り難いです。

 

マイナスな面ばかり悲観しても仕方がありませんから、明るい笑顔に満ち溢れるよう、

新年が良き年になることをお祈り致します。

 

皆様のご健康とご多幸をお祈りします。

新年もよろしくお願い申し上げます。

 

f:id:m-eishumonk59:20181231214553j:image

f:id:m-eishumonk59:20181231214557j:image

 

 

 

師走の紅葉!

平成最後の年も早いもので師走に入りました。

暖かいので、冬のコートはまだデビューさせていません。

 

さて、ご承知の通り師走の師とは坊さんのことのです。「坊さんが走る???」

 

師走は坊さんに限らず、どうしても皆さんバタバタと慌ただしくなりますね。師が付く職業の方は様々ありますが、美容師・理容師さんは、年末あたりは最も忙しいでしょうし、医師や看護師さんも季節に関係なくご多忙のことでしょう。

 

ではなぜ、僧侶なんでしょうか?

 

平安時代に貴族の間で「仏名会」【ぶつみょうえ】と呼ばれる行事があり、一年間の罪障消滅をしてもらう為にあちこちから僧侶に声がかかり、貴族の邸に唱えに行くために走りまわったからという説があるようです。

 

現在では、お盆は確かに走り回っているイメージがありますが、12月は違うような気もします。

 

冒頭にも述べましたように、今年は暖かいせいか紅葉が遅く、うちの境内の紅葉も12月に入ってから見頃を迎えました。

 

今日はこんな感じでした。お近くの方は是非見にいらして下さい。うちは観光寺院でも何でもないのでゆっくり見れますよ。勿論拝観料も要りませんよ(笑)

 

f:id:m-eishumonk59:20181202212712j:image

f:id:m-eishumonk59:20181202212703j:image

f:id:m-eishumonk59:20181202212803j:image

 

 

 

 

 


 

 

 

 

宗門の実践社会活動講習会を受講して!

大阪市のホテルアウィーナ大阪で開催された日蓮宗門主催の実践社会活動講習会を受講した。

2日間の本講座を受講すると日蓮宗社会教導師の資格がもらえる。因みに筆者は、2011年にビハーラ活動講習会を宗務院で受講し資格を頂いた。

 

午前9時半からの講座は、「hasunoha」の活動説明。当サイトは一般の方(在家の方)がインターネットで僧侶に相談できるシステム。

2011年に開設した当初は、登録僧侶が僅か5名だったが、本年10月現在、220名もの超宗派の僧侶が登録し、サイト上に寄せられた質問に回答している。

 

相談内容は浮気、不倫の悩みから、人間関係、仕事、自殺まで多岐に及ぶ。現在社会の人々が僧侶に求めることはストレス対処であり、多くの相談者が僧侶の回答を読み涙する。

 

多くの方が利用されるようになった現在、質問制限が余儀なくされる。それは質問数に対し、登録僧侶が慢性的に足りない状態であるからだ。

 

続いての講座は「寺子屋ブッダ」の活動説明。

寺だからこそできる活動がある。人づくり、町づくりの拠点として、心と体を整える場、学びの場、つながりの場、イノベーションの場としてお寺である。

 

檀信徒のみならず、広く一般の方にもお寺を開放し、ヨガ、写経、音楽会、修行の場など各種イベントを行うなどし、お寺に足を運んでもらうことで、地域貢献することが大切!

 

しかし、多くのお寺はノウハウ、人脈、発信力がない。このような問題を解決する仕組みが寺子屋學である。世の人々から求められている内容を把握し、お寺で出来ることを探り、やりたいことを沢山見つけることが肝要!

 

昼休憩を挟んで、最後は「おてらおやつクラブ」の活動説明。

現在7人に1人の子どもが貧困に陥っている状況をご存知だろうか?取り分け、貧富の差が激しい大阪の貧困率は、全国平均13%に対して21.8%と高い。

 

そこで、お寺にお供えされるお菓子や果物など様々な「お供え物」を、仏様からの「おさがり」として頂戴し、経済的に困難な状況にあるご家庭へ支援団体の協力のもと「おすそわけ」する素晴らしい活動がある。

 

浄土宗のお寺の住職で、当クラブの代表をされている松島師を招いてのお話だったが、素晴らしい社会活動に宗派の垣根はない。多くの参加僧侶が活動に理解を示し、協力姿勢を見せておられた。

 

また、当支援団体は2018年グッドデザイン大賞を受賞され、坊さんがされている事で政府の要人も驚きを隠せなかったという。

「幸せは分かち合っても減らない」「手放すことで多くのもが得られる」と施しの精神が込められたフレーズは心に響いた。

 

以上、主な内容をシェアさせて頂いたが、本日学んだことを今後の僧侶として活動の糧にしたい。

f:id:m-eishumonk59:20181128215719j:image

f:id:m-eishumonk59:20181128215731j:image

f:id:m-eishumonk59:20181128215956j:image

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開かれたお寺、安心してもらえるお寺をお目指す為、勉強になる!